【忙しさの種類が違う】育児中の夫婦がお互いに自分のほうが忙しいと思っている理由を考えてみた【男性育休取得記】

育児

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こんなケンカの原因を考えてみた

 こんにちは。榎木夫(えのきお)です。育児中の皆さん、こんな経験はないでしょうか。

 夕方、仕事から帰ってきた夫がソファーでくつろぎながらテレビを見始める。それを見た妻が忙しく動きながら「ちょっとは手伝ってよ」なんて言うと夫は、「うるせえ、オレだって仕事で疲れているんだ」なんてケンカになってしまう。

 ケンカまでならなくとも、モヤモヤした経験はあるのではないでしょうか。今日はその原因を追求していきます。

育休中は暇になると思っていたのに、、

 私は育休を2か月間という長期で取得したのですが、育休が始まってすぐに感じたことは「あれ、思っていたよりも忙しいぞ」でした。育児を経験したことある方からすれば当たり前のことを言っているかもしれませんが、長い間、一日のほとんどを会社で過ごす会社員生活を長い間続けていると無意識に暇になると思っていたのだと思います。想像していたよりもはるかに忙しく、モヤモヤした育休生活を続け、1、2週間が経った頃、気づきが生まれます。

 会社員と育児は一言で「忙しい」といっても全く違うものだ

 この忙しさの違いは意外と気づきにくく、夫婦がお互いに「自分の方が忙しいのに」とモヤモヤしたりケンカの原因となったりするのではないかと思います。両方経験したから分かる、両者の違いを書き残すことで、夫婦がお互いを尊重して楽しい育児生活を送れるような手助けが出来たらと思います。

会社員と育児専業、両方経験したから分かる忙しさの違いとは

会社員の忙しさとは

 会社で働くことは苦しいことです。会社員の誰もが一度は「働きたくねえ」と思ったことがあるでしょう。働くことが苦しすぎて、宝くじが当たったら会社辞めるんだ、などと実現不可能な妄想をしたり、今の会社に嫌気がさして転職サイトを見てみたりしたことは私の他にもやったことのある人はいるはずです。

 では何が忙しいのか、一言で会社といっても多種多様な業種があるため一般化することは難しいですが、会社という組織にいる以上、自分一人で仕事を完結させることはできないでしょう。上司や職場のメンバー、社外の取引先など、様々な人と連携しなければならないことが、会社員としての煩わしさの一つだと思います。忙しい時にも、上司の確認待ちや、取引先からの回答待ちなど自分ではどうにもならず、忙しいのに自分では進められないことがあるかと思います。
 また、書類やプレゼン資料などの作成に思い悩んで進まずに忙しいなどということもあるでしょう。

 このように、会社員の忙しさとは、業務の難しさから悩んでしまったり、また、他者との関係によっても進まなくなってしまうもので、たとえ忙しくても簡単には終わらせることができない複雑ものです。

育児の忙しさとは

 育児は基本的には楽しく、幸せなことです。そう思われているせいで見落とされがちですが非常に忙しく、苦しく思うこともあります。その忙しさを会社員の忙しさと比較するために、ここでは育児を業務として考えてみます。育児を業務とみなしたとき、その業務内容は会社員のものとは対照的に非常に単純です。語弊を恐れずに言うとマックジョブ(マクドナルドのアルバイトのようなシステム化され誰でも簡単にできるようになる仕事)と言われる業務になるかと思います。例えば、うんちやおしっこをしたらおしりを拭いてオムツを変える、定期的に授乳する、泣き止まなかったら抱っこをして落ち着かせる、など、私でも一日で大体の要領をつかめました(もちろん、今後子の成長につれて複雑になっていくことは承知しています)。会社員の仕事は、悩んだり他者との関係により進まないことがあると述べましたが、赤ちゃんのお世話は、すぐに着手し終わらせることができます。次の日に持ち越す、なんてことはありません。

 では、何が忙しいのかというと、その勤務時間と業務量です。先ほど、業務内容はマックのバイトのようなものだと言ってしまっていますが、勤務時間はバイトどころか会社員より過酷です。一度育児が始まると、週末、年末年始、お盆を問わずずっと続きます。休日はありません。また、個人的にはこちらの方が大変だと思うのですが、昼夜の区別もありません。業務量はどの程度かというと、3、4時間おきに授乳が必要になり、授乳開始から寝かしつけまで早くとも約1時間かかるので、仮に3時間おきに授乳するとすると、一日のうちそれだけで8時間かかることとなり、授乳だけで会社員の標準労働時間に匹敵します。またこれは、会社員のような8時間連続の勤務時間でなく、2時間空いて、1時間授乳という3時間1サイクルが24時間昼夜問わず休み無しで続くこととなり、異常な勤務形態からくる心理的負担は大きいです。また、毎回1時間で子供が寝付く訳ではなく、授乳と授乳の間の時間ずっと子供が起きている場合もありますし、それが、深夜となった場合は睡眠不足となり非常にストレスとなります。

 授乳と授乳の間の2時間は自分たちの食事の準備、掃除洗濯などの家事、おむつ替え、夜間は睡眠の時間などになり、自分のために使える休息時間と言うのは非常に少ないです。この業務量は夫婦2人で家事育児に専念すれば、多少の自由時間を確保できますが、1人でやろうとすると相当な負担で、実際に育児ノイローゼとなってしまう方もいらっしゃることからその大変さが分かります。

想像力を働かせてお互いを尊重しよう

 ここまで述べてきたように、会社員と育児では忙しさが違うため、お互いのことをしっかりと理解していないと、最初に述べたようなケンカになってしまいます。お互いに、自分の方が忙しいと思ってしまう理由は忙しさの種類が違うからです。両者の言い分はこんな感じでしょうか、

 会社で働く男性側は、オレの方が上司、部下、周りの人間関係に気を使いながら難しい仕事をしているんだ

 育児をする女性側は、私の方が、まとまって寝る時間もないくらいずっと休みなしで動いているんだ

 隣の芝生は青く見えるものです。お互いに忙しくしていることをしっかりと認め合って尊重すればケンカをしてしまったり、モヤモヤしたまま生活をせずに済むでしょう。子供はあっという間に育って行ってしまうものです。この記事を読んで貴重な育児の期間を少しでも楽しく過ごせる人が増えればよいと思います。

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