会社に忠誠心のない若者が見ている世界【幸福の資本論】

ビジネス書

読了時間:約10分(1683文字)

会社に忠誠心のない若者はやる気がない訳ではない

 こんにちは。エノキ夫です。今日からこのブログに間借りして本で読んだ知識を自分事として書いていきたいと思います。

 今日は、橘玲著、「幸福の資本論」を読み、最近の若者の働き方について若手社会人として考えたため、書いていきたいと思います。

 巷では、「最近の若者は会社での飲み会やイベントに参加しない」、「上司や同僚との仕事以上の過度なコミュニケーションを取ろうとしない」、「2,3年ですぐにやめてしまう」などの意見が聞かれ、これは上の世代がしてきた働き方から大きくずれているため、忠誠心という分かりやすい言葉に置き換えられて「最近の若者は忠誠心がない」などと言われることもあります。

 では、こういった働きをしている20代、30代の若い世代は仕事に対してやる気がないのでしょうか。そういったように考えている上の世代の方もいらっしゃるかと思いますが、実際にはやる気がないのではなく、働くことや将来見ているビジョンが違うためそのように感じ取られるのです。その違いを説明したいと思います。

ジョブ型とメンバーシップ型

 かつて、世界的大企業と言われていた日系企業が、倒産し、海外企業による買収され、大量リストラなどを実施しております。これは日本企業の典型的な働き方である年功序列、終身雇用が崩壊しつつあることを指しています。この、年功序列、終身雇用に代表される日本の会社の人事システムを「メンバーシップ型」と言われます。対して欧米型の人事システムを「ジョブ型」と言います。ジョブ型とメンバーシップ型の違いは幸福の資本論より次の通りです。

 ジョブ型は「職務(ジョブ)」を基準に成り立っている組織で、職務間の移動は原則としてありません。営業が人手不足になれば営業の経験のある適任者を労働市場から募集し、補充します。その一方人材が過剰となった部門があれば、リストラにより適正な規模に戻します。日本の会社(メンバーシップ型)では、こういった場合当然のように総務部から営業部などの配置換えがありますが、ジョブ型雇用ではありえないことです。

 メンバーシップ型は、その名の通り「メンバー」を中心とした組織で、中心となるメンバーである正社員や総合職といわれる人は、あらゆる職務(ジョブ)に対応できる能力が必要になります。このような働き方は、スペシャリストに対して、ゼネラリストと言われますが、これは和製英語で海外では通じず、先に述べた通り、ゼネラリストという働き方は存在しません。

未来を見据えた若者の働き方とは

 ゼネラリストには、弱点があります。それは、その会社の中では、部門をまたいでの知識があり、有用とされますが、その会社の外では、どの分野においても中途半端な知識しか持っておらず、必要とされない、つまりその会社がどのような状態になってもしがみつくしかなくなってしまいます。

 絶対的な年功序列、終身雇用が約束されていた昔であれば、この働き方に問題はなく、魅力的であるかと思いますが、それが崩壊しつつある現在においては非常に危険な働き方となってしまっております。もちろんすぐに日本の働き方がジョブ型に変わることは無いですが、常に必要な分野の知識を持った人員を構成できる制度と、そうでない制度のどちらが競争力が高いかは目に見えており、日本の会社も少しずつジョブ型へ変わっていくか、変わらない会社は淘汰されていくのではないでしょうか。

 そういった考えから若手社員は心理的な会社への依存度が低くなっており、会社への「忠誠心」が高い上の世代から見ると淡白な働き方をしているように感じ取られるのだと考えます。私の体感になってしまいますが、淡白な働き方をしている一方で、資格取得などの自己啓発により、業務以外でも使える汎用的な力をつけることに努力している人は、上の世代より多いように感じます。

 幸福の資本論よりインスピレーションを得てこのように考えました。非常におすすめの本ですので、気になった方は是非書店にて見てみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました